広島とソフトバンクによる日本シリーズが27日に開幕する。野球評論家の西本聖氏にシリーズの予想と展望を聞いた。

-ズバリ、勝つのは?

西本氏 ソフトバンクが勝つのではないか。4勝2敗、もしかすると4勝1敗もあるかもしれない。CSを見て強い時のソフトバンクの状態に戻りつつあると感じた。日本ハムとのファーストステージ。デスパイネの満塁本塁打で勢いに乗った。西武とのファイナルでは内川も戻ってきた。投手陣を見てもリリーフ陣が良い。サファテはいないが森が頑張っている。武田、石川、加治屋も良かった。かわすのではなく150キロ前後の力のあるボールで攻めていっている。打線は一発もあるし足も使える。ここに来て投打のバランスがすごくよくなったと思う。そして何よりも14年、15年、そして昨年と日本一になった経験がある。経験者が多いし短期決戦の勝ち方を知っている。これは大きい。

-広島はリーグ3連覇を達成。今年こそはという思いがあるのでは

西本氏 一昨年は日本ハムに敗れ、昨年はCSでDeNAに敗れた。チームもファンも今年こそはという気持ちが強い。「勝ちたい」という思いは、リーグ2位のソフトバンクを上回るものがあるはず。ただCSを見て感じたのは投手陣に不安があるということ。先発は大瀬良、ジョンソン、九里、野村あたりが任されると予想するが、ソフトバンクの千賀、バンデンハーク、ミランダ、東浜らと比べるとやや落ちるかなという印象。リリーフ陣も抑えの中崎の調子がイマイチという感じ。(CSで)巨人にはシーズン中と同じような戦いで3連勝できたが、ソフトバンク相手となるとどうか。攻撃陣は足を使いたいところだが、ソフトバンクの甲斐は強肩。甲斐VS広島の機動力というのも今シリーズの見どころの一つになるだろう。

-広島が勝つためには

西本氏 緒方監督の采配がカギになる。短期決戦というのは後手に回ると苦しい。野手出身だけに攻撃は手堅くいったり、大胆に仕掛けたりとうまい。一方で守りの面では、投手交代で後手に回らないことが大事。早い仕掛けというか、緒方監督の決断が大きなポイントになると思う。

-シリーズのキーマンは

西本氏 ソフトバンクは内川。やはり勝負強い。広島は(中継ぎの)フランスアか。勝てるゲームをしっかり取るという意味でも、好調フランスアの使い方もポイントになると思う。