田村藤夫のファームリポート

日本ハム2年目万波の越えるべき壁とは/田村藤夫

<ファームリポート>

日本ハム、ロッテ、ダイエーで21年間の選手生活を送り、その後はソフトバンク、阪神、中日で2軍バッテリーコーチなどを21年間(うち1年間は編成担当)務めた日刊スポーツ評論家の田村藤夫氏(61)が、24日の日本ハム-DeNA戦(鎌ケ谷)を取材した。高卒2年目の日本ハム万波中正外野手(20=横浜)のバッティングの課題と、俊足を生かした好守をリポートする。

本塁打を放つ万波中正(2020年6月12日撮影)
本塁打を放つ万波中正(2020年6月12日撮影)

◇  ◇  ◇

初回2死二、三塁で、万波の最初の打席をじっくり見た。DeNA先発は阪口。この日もストレートの速さは目を引いた。カウント2-1のバッターカウントで、4球目のストレートをスイングするも空振り。ただし、しっかり振れている。バットの出方が良く、力強さを感じさせた。

続く外寄りのストレートを打ちにいくが、打球は真後ろへのファウル。スタンドから見ている限りでは148キロのストレートにタイミングは合っており、対応はできている。しかし、6球目のスライダーをひっかけて三ゴロ。失策で2点は入ったが、万波としては課題が見えた打席だった。

まず、打者有利のカウントで2球続いたストレートを仕留められなかった。阪口はストレートだけでいえば1軍クラスの球威がある。そのストレートを狙って1球で仕留めてこそ、1軍への道が開けてくる。阪口は走者を出すまではそこまで力感がなかったが、走者2人を置いて万波に対した時のストレートは、見た目にも力がこもっていた。そのボールを打たなければ。スイングに力強さは感じただけに、見ていてもったいなかった。

最後はスライダーで打ち取られるのだが、このボールは非常に厳しいボールだった。ストライクからボールになるギリギリのところを攻めており、万波からすれば選択肢として、見逃すか、ファウルで逃げるか、という難しい局面だった。

阪口とは3打席対戦し、三ゴロ、投ゴロ、右中間への2点適時二塁打という内容だった。5回2死一、二塁で真ん中低めのストレートを右中間へ二塁打を放っている。この打球を見る限りでは中距離ヒッターという印象だ。もっと確実性が増して成長していけば、DeNA宮崎が目指すべきバッターというところか。

191センチ95キロのサイズならホームランを期待したくなるが、長距離砲というタイプとして見るならチームメートの野村の方がしっくりくる。万波は痛烈なライナーで外野の間を抜いていくタイプかなと感じた。

守備については、俊足と球際の強さを見ることができた。試合開始直後の初回、DeNA先頭打者桑原の右中間へのヒット性のあたりを、右翼の万波が俊足を飛ばしてギリギリで好捕した。打った瞬間、二塁打か、もしくは桑原の足なら三塁打かなと思ったが、万波は打球に対して一直線に走り、最短コースで追いつくと、最後は長い腕を目いっぱいに伸ばしてギリギリで捕球した。

追いつけると判断したジャッジと、最後の最後まであきらめなかった動きは、俊敏さとダイナミックさを備えた見栄えするファインプレーだった。第4打席では四球で出塁し盗塁を決めるなど、好守を含めて俊足をいかんなく発揮していた。

万波の課題はバッティングになる。先述したように相手投手の力のあるストレートを逃さないこと。実戦の中で確実に仕留めるよう、ひたすら鍛えてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

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