今年のオープン戦12球団でもっとも多く失策しているのは西武らしい。この日までに12個を記録している。では阪神は…と見ると中日と並んで8個。これはワースト4位という数字になるが過去数年のことを考えると「まずまずかな」と思ってしまう。
阪神最大の課題は守備力とずっと言われている。120試合制だった昨季の失策数は両リーグワーストの「85」。19年も両リーグ最多102失策を記録。18年も12球団最多だったので「3年連続最多失策」という不名誉な状況が続く。
「エラーがもっと減ったらもっと勝てると言われているし、自分もそう思っているんやけど」
失策した後に前を向いていく姿勢を重要視する指揮官・矢野燿大にしても、当たり前だが、失策していいと思っているはずはなく、このキャンプでもそう話していた。だがこの日、その課題がチラリと顔を見せた。
すっかり安定してきた青柳晃洋、オリックス期待の左腕・宮城大弥の投げ合いで始まった試合は阪神が犠打を効かせ、6回に先制点をマーク。このオープン戦では12球団トップ(!)の17本塁打を放ち、1発攻勢を仕掛けている阪神打線だが、この日は渋い最少スコア勝利か…と思った。
しかし簡単にはいかない。7回1死一塁からオリックス太田椋の当たりに右翼スタメンの佐藤輝明は頭上を抜かれた。さらに中継に入った二塁・北條史也に悪送球。これで失点、同点を許してしまった。
一流の外野手なら頭上を抜かれたかどうか微妙な当たりだったかもしれない。送球もそれたが北條が捕れないこともなかったように見えた。記録は佐藤輝に失策。佐藤輝はこれで内外野合わせて3個目の失策だ。
阪神の決勝点も失策が絡んでのものだ。7回、オリックスの二塁・太田は佐藤輝の打球をはじいた。いったんはアウトと判定されたが阪神ベンチからのリクエスト成功で無死一塁。そこからの2点目だった。
佐藤輝とオリックスが大きな期待を寄せる高卒3年目・太田の2人が微妙に絡まって両軍の得失点につながったのもなんだか不思議な感じではあった。いずれにしても接戦にミスが影響を及ぼすことをはっきりと示した展開だったとも言える。半年後、阪神が優勝戦線をひた走っていれば「結果オーライ」でも歓迎だが、今はそこにもこだわる時期だろう。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




