近頃の60代は若い。特に周囲から必要とされ、活動する者はそうだろう。阪神指揮官・岡田彰布も同じ。流行もそれなりに知っているし、スマホも普通に使いこなす。だからこそ聞いてみたいことがあった。

04年から08年まで岡田が阪神監督を務めた第1次政権時と、現代で大きく違うことは何か。時代はうつろっているので、もちろん、いろいろあるだろうが際立つのは「ネット」「SNS」ではないか。

プロ野球、特に阪神は人気があり、目立つ存在。虎党もアンチも注目している。勝てば持ち上げられるがそうでなければこれでもかと批判が噴出する。監督は作戦、采配面でそんな批判にさらされる場合も多い。

かつては監督、選手の目に触れる場所で批判するのは新聞、雑誌など活字メディアに限られたもの。今は違う。スマホのニュースに付く形で勝手に入ってくる。前任者・矢野燿大のときはSNSで手厳しい発言が相次いだ。それなりにダメージはあったと思う。

スマホも使わず、そういうものから距離を置いている人なら関係ないかもしれないが前述したように岡田はそうでもない。だからこそ、どう受け止めるのだろうか。反論するか。受け止めるか。フロントとともに日刊スポーツ本社を訪れた岡田に聞いてみた。

「ネットは目に入ったら見るけどね。それは。そんなん、別になんにも気にしてないよ。書けんようにしたらエエだけの話。そういうことやろ?」

さすがというか、これぞというか。単純明快。「書けんようにしたらエエだけの話」か。岡田ならではの答えにうなってしまった。どこでもそうかもしれないが、この世界は「勝てば官軍」である。

采配がどうとか選手起用がどうとか、いろいろな視点があっても最後に勝って結果が出ればそれでいい。勝って批判することは難しいし、周囲から笑われるだろう。反対に言えば善戦しても負ければそれまでだ。

そうは言っても当たり前だが全勝はできない。毎日の結果に一喜一憂するのもプロ野球。勝てそうで勝てなければ批判は来るはず。そこはどうか。

「負けたときとか、そんなん、気にしてたら何もできひんからな。100勝以上せんと優勝できないとかじゃないんやから」。これもシンプル。球界最年長監督・65歳の挑戦がますます楽しみになってきた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

岡田監督は日刊スポーツへ年始のあいさつに訪れた(撮影・加藤哉)
岡田監督は日刊スポーツへ年始のあいさつに訪れた(撮影・加藤哉)
日刊スポーツを訪れ年始のあいさつを行った岡田監督(右)は橘社長と記念写真に納まった(撮影・加藤哉)
日刊スポーツを訪れ年始のあいさつを行った岡田監督(右)は橘社長と記念写真に納まった(撮影・加藤哉)