サヨナラ負け直後、ベンチに戻ったビーズリーがグラブを投げつけ、荒れていたのがこの日を象徴する光景だったかもしれない。抑えられなかった自分に腹が立ったのか。判定に不満だったのか。そのあたりは不明だが、球場でテレビの前で、遅くまで応援した虎党も悔しい敗戦だ。
試合前からよくないムードが漂っていた。中継ぎ投手・石井大智が体調不良で登録抹消されたのだ。指揮官・藤川球児は「ブルペンがチームの心臓」と言うが、そのブルペンでも石井の締める位置は大きい。そんな右腕が抜けたのだ。
この日、4月30日はまだ水曜というか、4月から5月へ月をまたぐ9連戦中。ここで石井を欠くのは苦しい状況だ。この日は先発・門別に長いイニングを頑張ってもらわねば。そう思ったが終わってみれば7投手をつぎ込んだ末の敗戦。石井の代わりに登録されたばかり、中継ぎ登板は今季初のビーズリーまでのリレーはもの悲しい敗戦に終わってしまった。
常とう句だが、本当に、野球はどうなるか分からない。6回、1点を追う阪神の攻撃時は驚いた。近本光司が中日・大野雄大から内野安打をマークし、無死一塁に。続く中野拓夢へ2球を投げたところで大野が突然、降板してしまう。
そこまで大野は好調。阪神打線は苦しんでいた。1回こそ森下翔太の適時打で1点を先制したが、後が続かない。1回2死から5回まで14人連続アウト。6回に近本が出て、さあ、どうかと思っていたところでのアクシデントだ。中日は祖父江大輔が急きょ登板。だが阪神打線はここできっちりつながって、一挙に3得点。逆転に成功した。仮定の話だが大野のままならどうなっていたことか。
それでも流れはこない。その裏、粘って投げていた先発・門別啓人が2死から死球、四球で降板。投手交代したが同点にされてしまう。これで振り出しに戻った。6連勝の後、これで3連敗。ビジター8連勝後は連敗だ。サヨナラ負けはもちろん今季初である。
「明日1つ、取ってね。しっかり甲子園に戻らなければと、そういう思いですね」。敗戦後、球児はそう話した。このバンテリンドームで1つ勝てるかどうかは今後に影響してくるはず。今季初の試練がきたということか。どんなチームでも常にうまくいくはずはない。ここをしのぐ姿を虎党は見たいのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




