3位決定戦で静岡(中部1位)が6-1で東海大静岡翔洋(中部5位)を下し、2年ぶり22度目の東海大会出場を決めた。不調だった稲角塁内野手(2年)が先制打を放つなど、投打がかみ合い最後の切符を手にした。東海大会は11日に抽選会が行われ、22日に草薙球場などで開幕する。

 静岡が底力を見せつけた。前日は完封負けを喫したが、この日は1回1死二塁から3番稲角の適時二塁打で幸先よく先制した。

 稲角 やっと出ました。自分が打てず迷惑をかけていた。来た球を思い切り打とうと、考えすぎずに打席に入りました。

 準決勝で無安打に抑え込まれた稲角は、試合後に学校に戻り、居残りでティー打撃や素振りを繰り返した。「僕はキレイに打つタイプじゃない。泥臭くやるしかないです」。言葉通りのしぶとい先制打には、安堵(あんど)の表情を見せた。稲角に刺激されるように、同じく前日に無安打の4番成瀬和人(1年)も7回にダメ押しの適時二塁打。静高打線が勢いを取り戻した。

 投手陣は盤石だ。県大会初登板の竹内奎人(2年)が先発。130キロ台後半の直球を軸に変化球がさえ、3回を無安打6三振で無失に抑えた点。「ずっと投げたくて『やってやろう』という気持ちでした」。4回からはエース池谷蒼大(2年)が登板し、連投の影響も見せずに6回を3安打11三振1失点で締めた。

 名門のプライドでつかんだ最後の東海大会切符。だが、ナインに喜びの表情はなく、栗林俊輔監督(44)は落ち着いた表情で言った。「今日のように中軸が機能すれば打線も活発になる。あと2週間、しっかり鍛え直して頑張ります」。2年ぶりのセンバツ出場を目指し、打線復活の兆しを見せた静岡が東海大会に挑む。【鈴木正章】