俺が初戦のキーマン-。第89回選抜高校野球(19日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が10日、大阪市内で行われ、2年連続2度目出場の札幌第一は、3日目の21日第3試合(午後2時予定)で高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦することが決まった。チームの旗印に「機動破壊」を掲げ、昨秋の県大会・関東大会の計8試合で26盗塁した相手の走力封じに、西村壮真捕手(3年)が名乗りを上げた。
控えでベンチにいた高野山との練習試合1試合目の途中、「初戦は健大高崎」という抽選結果を耳にすると、西村がサッと顔色を変えた。「俺がキーマンだ…」。次の瞬間、主砲の高階成雲(たかしな・なぐも)左翼手(3年)が「お前がキーマンだ」と、西村の方を向いて、明るく言った。
1回戦の相手・健大高崎の持ち味は、昨秋も1試合平均3個以上を記録する機動力だ。14年夏の甲子園では、4試合で大会記録29盗塁まで残り3つに迫った。現チームも1番湯浅大遊撃手(3年)が50メートル6秒0、2番小野寺大輝左翼手(3年)が同5秒9とスピード自慢がそろう。湯浅主将は「初戦から持ち味を出していく」と走力全開を宣言する。
西村も負けてはいない。健大高崎のことは、中3の時に「機動破壊」という本を読破。動画も見てきた。「スキがあれば全部(盗塁を)狙ってくる。これだけ走塁にこだわれば、速くなると思った」と感想を漏らす。一方で「1、2番を出さないリードをすれば勝てる」と、すぐにイメージが浮かぶほど、ライバルの特徴が頭に入っている。
走者を塁に出した場合の対策も行ってきた。盗塁を試みる一塁走者の姿が見えた瞬間に右足のかかとを上げ、腰を浮かせながらボールを捕球。二塁に矢のようなボールを送る練習を続けてきた。「去年より配球もどっしりしてきた」と菊池雄人監督(44)はほめる。
健大高崎は過去5回の甲子園でいずれも初戦突破した難敵だ。「やっぱり自分にかかっている」と西村。自称「キーマン」が、札幌第一をセンバツ初勝利へ導く。【中島洋尚】
◆高崎健康福祉大高崎 1968年(昭43)創立の私立校で野球部は2002年創部。センバツ出場は2年ぶり3度目で12年4強、15年8強。夏は甲子園出場3回で14年8強。部員70人。昨秋は群馬県大会2位で関東大会4強。積極走塁の「機動破壊」がチームの代名詞。

