“母子鷹”が頂点を目指す。第99回全国高校野球選手権栃木大会(7月7日開幕)の組み合わせ抽選会が21日、宇都宮市内で行われた。白鴎大足利・北浦竜次投手(3年)は、元ソフトボールの国体選手だった母里美さん(49)の願いを成就させる。幼少期は右投げの方が得意だったが、母に素質を見抜いてもらい左投げに転向。ドラフト候補にまで浮上した左腕でチームをけん引する。

 普段は控えめな青年が一変する。北浦がマウンドに立つと、その存在感が際立つ。183センチの長身と、鍛え上げられた下半身。左腕からの直球は最速145キロを記録する。

 今ではプロ注目のサウスポーだが、幼少期は右投げの方が得意だった。箸や鉛筆はどちらの手でも器用に扱っていたが、投げるのは決まって右手。しかし、小2で野球を始めるとき、母里美さんから「左の方が球筋が良い。スピードもある」と転向を勧められた。

 本人は「右の方が得意で、最初は(左は)投げ方も全然分からなかった」と振り返る。それでもソフトボールの埼玉県代表として国体出場経験のある母は、息子の素質を見抜いていた。