元オリックス監督の故仰木彬氏の母校、東筑(福岡)が古豪復活を果たした。次々と私学強豪を倒し、最後は今春センバツ8強で優勝候補筆頭だった福岡大大濠に勝利。21年ぶり夏6度目の優勝を飾った。学校に伝わる「石田伝説」は本物だった。実は過去5度の夏の甲子園出場のうち、3度は石田姓のエース。今夏、右横手投げの石田旭昇投手(2年)が2回戦から7試合、836球を1人で投げ抜き、決勝では2回以降、無失点の好投で伝説4人目となった。

 準決勝後、疲労回復のため酸素カプセルに入るなどリフレッシュ。趣味は読書という秀才の集中力がさえた。福岡の公立校が夏の甲子園に出場するのは同校の96年以来。石田は「憧れの甲子園で1戦1戦大事に戦いたい」と話した。

 ◆公立校の出場ブランク 夏の甲子園で福岡県から公立校が出場するのは、東筑が前回出場した96年以来。全国では5番目のブランクだった。他に公立校出場が途絶えて久しいのは西東京(最後の出場は80年国立)神奈川(同90年横浜商)大阪(同90年渋谷)岩手(同94年盛岡四)。

 ◆東筑 1898年(明31)創立の公立校。生徒数958人(女子495人)。今春、京大3人、九州大46人など国公立大に193人が現役合格。野球部は1900年創部。部員数は64人。甲子園は春2度、夏は6度目で3回戦が最高。主なOBは故高倉健(俳優)、故仰木彬(元オリックス監督)。所在地は北九州市八幡西区東筑1の1の1。中島良博校長。

 ◆Vへの足跡

2回戦9―1大和青藍

3回戦4―1戸畑

4回戦5―3八幡工

5回戦1―0九産大九州

準々決勝4―3福岡工大城東

準決勝7―3西日本短大付

決勝3―1福岡大大濠