今夏、甲子園出場の静岡高を主将としてけん引した小岩和音捕手(3年)がこのほど、指定校推薦で関西学院大経済学部に合格した。この日、合格通知が自宅に届き「静高のように文武両道でやれる環境なので、どちらも頑張りたい」と意気込んだ。

甲子園で敗れた8月以降、名門校の主将という重圧から解放された。「ずっと甲子園を目指してやっていた。夏が終わってからは心が落ち着き、寂しさを感じた」。それでも「ここがゴールじゃない。またやってやろうという気持ちになった」と立ち上がり、現役の後輩たちと同じ練習メニューを毎日こなしている。

盟友の存在も大きい。10月、静高でともに中軸を担った斎藤来音(3年)が、東京6大学の名門・慶大に合格。小岩は「来音は一番練習をするし、勉強も頑張っていた。刺激を受ける存在。いつか神宮で対戦して抑えたい」と、対抗意識を燃やした。

関西学院大は今秋の関西学生野球リーグ戦で最下位。「自分の力でチームを勝たせられるようになりたい」と、小岩は気合十分。「今後4年間は、大学日本代表入りとプロを目指してやっていきたい」と決意を示した。また、夏目武尚内野手(3年)と鈴木陸外野手(3年)も同大への合格が決まった。【河合萌彦】

◆小岩和音(こいわ・あのん)2001年(平13)7月9日、浜松市生まれ。小1冬から2年間を米国で過ごし、現地のリトルリーグで野球を始めた。静岡高では、今年1月に主将就任。4番も務め、攻守の要として今夏の甲子園出場に貢献した。1回戦の津田学園(三重)戦で4打数1安打(左前打)1打点。右投げ右打ち。173センチ、74キロ。血液型O。家族は両親と兄、弟4人、妹4人。