静岡県高野連は5日、静岡市内で臨時理事会を開き、中止となった選手権静岡大会の代替大会開催可否を決める。“運命の日”を前に、昨夏の県大会4強の浜松工ナインが4日、大会開催を信じ、練習を行った。

主将の杉田蒼希(そうき)投手(3年)は、ブルペンで約50球を投じた。「大会が行われると信じて、やれることをやっている。(甲子園中止に)ショックは大きかったが、いつまでも引きずってはいられない」。1年秋から、杉山正美監督(59)の自宅敷地内に建てられた寮で生活。野球以外の面でも、厳しい指導を受けてきた。「『相手のことを考えて行動しろ』と、よくしかられました。足りないところはあると感じるが、少しは成長できたと思う」と振り返った。

チームの大黒柱に「自覚と責任感」を持たせるため、38年間の監督人生で、初めて投手を主将に任命した指揮官は、杉田について「まだまだ」とひと言。それでも「休校期間中は、毎日一緒にいた。その分、たくさん怒られて、かなり成長した」と評価した。

本年度で定年となる恩師と最後の夏になる。杉田は「1つでも多く勝って、最終的には優勝したい。できるだけ長く、監督や仲間と野球がしたい」と、希望を口にした。【河合萌彦】