全国高校野球選手権大会がなくなった今夏。球児たちはどんな思いで試合に臨むのか。直筆の手紙とともに随時掲載していく。

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東西東京大会(18日開幕)を前に、東東京の昨夏覇者・関東第一の渡辺貴斗主将(3年)がペンを取った。

「将来の私へ」と題し、「夢であった体育教師になることはできていますか」と問いかけた。中学(取手市立永山中)の担任だった小林良美先生はユーモアあふれ、野球に役立つトレーニング法も教えてくれた。「自分も中学校の体育の先生になって野球を教えたい」と思うようになった。

将来の夢が定まっていたから、甲子園という夢を追えなくなっても自分を見失わなかった。むしろ「甲子園という夢を目指していた中で得られた事はたくさんありました」と言えた。最後の夏。「甲子園よりも大きな存在」である仲間とできることは何か。「東東京で優勝して、西東京の優勝校にも勝って終わりたい」と現在地の目標を定めた。