西東京では準々決勝4試合が行われ、昨秋東京王者の国士舘はエース中西健登投手(3年)が早実打線を6安打1失点に抑え、完投勝ち。調布シニアの後輩である清宮福太郎外野手(2年)を内野安打1本に抑えた。

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119球目、最後の打者を空振り三振に仕留め、中西はほえた。「最初に点を取ってくれたので、気持ち楽に抑えられました」と打線に感謝した。ここまで4試合で31得点の早実に「すごい打線。丁寧に投げよう」と低め、低めを意識した。サイドから左右に散らした。特に「絶対、抑えたい」と4番清宮を意識。試合前の整列で目が合い「よろしく」と心を交わした。

早実の初戦、八王子学園八王子戦での清宮の左翼場外弾を研究。内角高めのカーブを捉えたスイングに「高めは持っていく」と、低めへの意識を強くした。4打席の対戦は外中心。外ギリギリの直球と低めの変化球で攻めた。内角は高め直球1球だけ。徹底し、ボテボテの三塁内野安打1本に抑えた。

清宮は調布シニアの後輩。第一印象は「でかい」。一塁の座を取られ、外野に回った。国士舘入学後、永田昌弘監督(62)に素質を買われ投手転向。あのまま一塁手だったら、投手をやっていたかは分からない。巡り巡って、その後輩との初対戦で勝ち、準決勝に進んだ。「もう1回、強いチームに全員で戦っていきたい」。東京NO・1まで、あと3つだ。【古川真弥】

▽国士舘・永田昌弘監督(中西の投手転向について)「1年の頃、シンカーの握りを教えたらコントロールよく投げ、適性がある、器用だなと思いました」。