県立進学校の小野が初の甲子園に前進した。

主将の市橋慶祐捕手(2年)は姿勢を正した。「うれしい気持ちもありますが、責任感が非常に大きくあります」。

授業や課題の配布に使用するタブレットを部活動でも活用する。昼休みまでに監督が練習メニューを一斉送信し、生徒は「予習」して動きや練習内容を把握。市橋は「中学のときよりも練習時間が短いけど、成長の手応えがあります」とうなずく。北垣賢高監督(47)も「準備も早くなるし、ちょっとでも時間の効率を上げるため。口で言ってもなかなか伝わらない。ビデオを見てグラウンドでやった方が効率的」と2時間弱と限られた練習時間を有効活用する。試合後の映像は監督自らが動画を編集。選手が課題を把握して技術力向上へ「復習」もできる。

小野は東大や京大への進学者もいる進学校。秋に背番号1を背負った田中大夢投手(2年)は阪大、市橋も慶大を志望するなど文武両道を目指す。今夏甲子園に出場し、北垣監督の母校で練習試合も頻繁に行う近隣の社からも刺激を受けた。市橋は「僕たちも甲子園に行きたいなと思った」。

悲願の舞台まで1歩前進。北垣監督は「選ばれた責任がある。励みに感じて、選ばれなかった学校の分までやっていきましょう」とナインを鼓舞した。今年は学校創立120周年、野球部も創部100年。年をまたいで1月27日の吉報を待つ。【林亮佑】

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