今日開幕の第105回愛知大会は天候不良のため、21試合が中止になった。パロマ瑞穂(名古屋市)での2試合だけが行われた。

愛知1番星を飾ったのは瀬戸工科。勝利の女神が、チームにいた。公式戦初のノック補助を行った女子マネジャー川上美夢(みゆ)さん(3年)だ。

今夏、愛知県で初めて、女子マネジャーが「野球部のポロシャツや学校のジャージーを着用していれば、ノック中にグラウンドでのボール渡しが可能」というルールが誕生した。

「今朝は母から背中をたたいてもらった」と家族の後押しを受け、球場に向かった。「自分はスコアを書く記録員ではないので、グラウンドには本来入れない。だけど、部員と一緒に立てて、部員とつながっている感じがして、楽しかったです」と初めての経験をかみしめた。

川上さんは内野側、もう1人ノックの補助に付いた1年生マネジャー石垣梨来(りく)さんは外野側に付いた。内野側の川上さんは、ノッカーの大野雅也部長(47)や捕手の村瀬廉(1年)にボールを渡す際、あうんの呼吸が求められる。「村瀬とは『落ち着いてやろうね』と話した」と振り返った。

川上さんが思い入れのある練習用具は、部員と同じヘルメット。「(女子用の)予備もありますが、毎回部員(選手)の物を借りるようにしていて。そっちの方が部員と一緒にやっている感じがして。気持ち的にもそっちの方が落ち着く」と明かす。理由は「ノックって先生に渡すタイミングと、キャッチャーからもらうタイミングがちょっとずれると、結構もたついたりしちゃうので」。日々鍛えたスムーズな補助が、試合直前の雰囲気を引き締めた。

2学年上の女子マネジャーに勧誘され、入部を決めた。体験入部で、部員を補助する先輩の姿に憧れた。ノックの補助は、2年秋に始めた。「部員数は試合に出られるギリギリで。最初は失敗が多くて、最初はノッカーの先生に渡すのが精いっぱいだった」という。それが「3年生になって失敗することもほとんどなくなった」と自信ができた。大野部長も「普段サポートする川上を筆頭に、頑張ってやってくれている」と信頼する。

2回戦も、川上さんと石垣さんコンビでノック補助を行う予定だ。チーム一丸となって2つ目の白星を狙う。【中島麗】

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