東京学館浦安(千葉)が3回戦進出を決めた。オリックス、巨人などで活躍した谷佳知氏(50)を父に、女子柔道48キロ級で00年シドニー、04年アテネ五輪金メダルの谷亮子氏(47)を母に持つ谷佳亮(よしあき)外野手(3年)が「1番右翼」で先発出場。安打こそなかったものの、堅実な守備と走塁で勝利に貢献した。

9回の最終6打席目、安打性の打球を逆方向の左翼方向に飛ばした。中飛になったものの、広角に打ち分ける技術は父をほうふつとさせた。好守の父同様、右翼での守備は完璧にこなす。四球を選んだ4回には中前打で、中堅手の処理がもたつく間に、母のような俊敏性をいかして二塁から一気に生還した。無安打に終わったため「バッティングがだめ」と悔やんだが、偉大な両親の運動能力は確かに引き継いでいる。

小学3年からアイスホッケーに打ち込んだ。小学6年のときは全国優勝も経験したが、コロナ禍で練習ができなかったこともあり、中学3年時でアイスホッケーはやめて、高校入学と同時に野球を始めた。野球では人より遅れていることを意識し、休みでも素振り、母から教わった体幹トレなどで汗を流した。2年だった昨秋にレギュラーをつかんだ。

父とともに応援にかけつけた母は「できることは弁当づくりしかないですから」と毎朝、午前4時半に起きて弁当づくりに励む。試合前日は験担ぎでもある鶏の胸肉のカツ、試合当日はカレーを用意。「暑いし、しっかり食べないと、体がもたない」と谷。体重は昨秋から4キロ増の68キロ、身長は3センチ伸びて父を超える174センチ。世界一の母の食事をパワーに変えている。

偉大な両親を持つだけに、人一倍のプレッシャーがかかっていることは間違いない。「でも関係ないから」と、母から教わったポジティブ思考で乗り切ろうとしている。3回戦は東海大浦安を撃破した船橋と対戦する。「悔いの残らない高校野球にしたい」。将来の目標はもちろん、父と同じプロ野球選手だ。

◆谷佳亮(たに・よしあき)2005年12月31日、兵庫県生まれ、東京都育ち。小学3年からアイスホッケーを始め、中学2年まで打ち込む。東京学館浦安高入学後に野球を開始。50メートル走は6秒1、遠投は89メートル。174センチ、68キロ。左投げ左打ち。外野手。

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