春夏通じて初となる山形と福島の隣県対決は、両校持ち味を生かした接戦となったが、鶴岡東(山形)が2-1で聖光学院(福島)を退けた。鶴岡東のエース左腕桜井椿稀投手(3年)が1失点完投と決勝2点適時打の大活躍。億田知輝捕手(3年)の好リードに、野手陣の無失策も光り、出場3大会連続での夏初戦突破を果たした。聖光学院もエース高野結羽投手(3年)が8回2失点11奪三振と力投したが、あと1歩及ばず。記録員でベンチ入りした水野裕次郎投手(3年)は、敗戦に涙が止まらなかった。
聖光学院は隣県対決であと1歩及ばず、甲子園を去った。エース高野が泣き崩れた。11奪三振で8回2失点にまとめるなど力は発揮したが「エースで点を取られてしまって、野手がつないでくれて…涙が出ちゃいました」と言葉を詰まらせながら話した。
甲子園に来て、斎藤智也監督(61)が選手たちに投げかけた。「おまえら、恥ずかしいようなことしたら、こいつに申し訳が立たないぞ」。感極まった“こいつ”は記録員でベンチ入りした水野。福島大会では背番号13をつけたが、斎藤監督に「俺の隣にいてほしい」と背番号が外れた。
会津若松市出身で、斎藤監督は“白虎隊”と親しみを込めている。「メンバー外を言われた日から、自分を犠牲にしてチームに尽くそうと決めました」。幼少期から白虎隊の生きざまを学んできた。熱い水野に応えるように、選手たちも奮闘した。「みんな本当に頼もしかったですし、高野もあいつなりに頑張って。控えメンバーのためにってずっと言ってくれてて」。涙が止まらない。皆がチームのために尽くし、ダッグアウトに号泣が響いた。【金子真仁】

