名取北の春は白星で幕を開けた。2-2の6回2死二塁で、佐久間啓心投手(2年)が救援登板。「流れを持ってこられるように」と無失点で切り抜けた。7回には斎一颯内野手(3年)が勝ち越し打。8回にも1点を追加して名取北のペースに持ち込んだ。最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、佐久間は跳びはねて喜びを爆発。試合後には「うれしくてつい…」と照れ笑いを見せた。

背番号「9」の佐久間は、投手と外野手をこなす。これまでは外野手で先発出場し、状況に応じて投手に回ることもあった。だが、この日は今大会から採用されたDH制を適用し、「5番DH」でスタメン出場。序盤から肩を作り、登板に備えていた。「これまでは準備する時間がほとんどなかたので、DH制が適しているなというか、準備して臨むことができました」と万全の状態でマウンドへと立ち、勝利を呼び込んだ。

たった3日間で、打ち込まれていた直球を自慢の直球へと変えた。「ストレートに伸びがありました」と手応えを示した直球は、先週末の練習試合までは捉えられていた。そこで、春開幕を前に修正を加えた。「力感なくというか、脱力を意識しました」と打者を立たせて投げ込んだ。これが功を奏した。「ストレートに伸びが出て、変化との緩急もうまく使えました」と好感触を得た。

楽天・岸孝之投手(41)の母校でもある同校は、今春センバツの21世紀枠の候補校にも選ばれた。悲願の甲子園出場とはならなかったが、誰ひとり下は向かなかった。「夏は実力でつかみ取りたい」と佐久間。「先輩たちのためにも全力で戦いたいです」と力強く言った。【木村有優】