次は実力で-。今春センバツの21世紀枠候補校に選ばれた名取北が、春初戦を白星で飾った。2-2の同点で迎えた終盤に2点を奪って勝ちきった。主将を務める丸山諒大内野手(3年)は1安打1四球。「苦しい展開になりながらも、1つのチャンスをものにして、最後まで粘り強く戦い抜けました」と振り返った。

楽天・岸孝之投手(41)の母校でもある同校は昨秋、宮城3位に輝き、初の東北大会出場を果たした。21世紀枠の候補校にも選出され、甲子園まであと1歩のところまできた。だが、今年1月30日に行われた選考委員会では同枠補欠校として名が呼ばれ、初の甲子園出場はかなわなかった。

結果を受けて丸山が立ち上がった。

「周りも素晴らしい高校ばかりだったし、これは仕方のことで自分たちのやってきたことは決して間違いではない。ただ、実力が足りなかっただけ。次は実力で甲子園をつかみにいこう」

この力強い言葉に、下を向く選手は誰ひとりとしていなかった。

甲子園出場を勝ち取るために妥協は一切しない。この日も主将は常にチームを鼓舞し続けた。同点に追いつかれた直後には、先発・五十嵐朔投手(3年)にすぐさま駆け寄った。「自分1人でやっているわけではない。俺らが絶対に逆転するから」。エースの表情の変化を見逃さなかった。「(五十嵐は)ピンチになると1人でいっぱい、いっぱいになりながら投げてしまって、呼吸ができない状態になるので」と、丸山は背負い込んでしまうエースに一喝した。

冬に鍛えた個々の能力を集結させ、この春はチーム力を求めていく。「仙台育英や東北などの強豪相手に、まずは春の時点で成長を見せて、しっかり戦えることを示したいです」と話し、「最低でもベスト4」を目標として掲げた。惜しくもかなわなかったセンバツ出場。それでも、1度も下は向かなかった。この春を夏の笑顔へと変えるため、今こそ名取北の底力を見せる時だ。【木村有優】