敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。

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駒大高(西東京)渡辺さくや内野手(3年)はスタンドへあいさつに向かうと、目から涙があふれた。神宮で迎えた最後の夏。敗戦の悔しさはもちろんだが、この舞台に立てたことへの安堵(あんど)もあった。1年時からベンチ入りし、今春は主に3番として打線を引っ張ってきた。しかし春の都大会後の練習試合で走者と交錯し、左手首を骨折。全治2~3カ月と診断された。「絶望しました」と夏は諦めかけた。それでも「可能性がゼロじゃない時点でやるしかない」と前を向き、リハビリに打ち込んだ。

支え続けたのは母・祐美さんだった。「なんとか間に合ってほしい」。その一心で、カルシウムを意識した栄養満点の食事を毎日用意。手術の影響で3~4キロ落ちた体を少しでも戻せるよう、献身的に支え続けた。

努力が実を結んだ。夏の大会前最後の練習試合で3安打を放ち、背番号をつかみ取ると、早実との一戦では安打も記録。この日は代打で打席に立ち、「打ちたかった」と悔しさをにじませながらも、冷静に四球を選んだ。最後の打席となった神宮の景色は、忘れられないものになった。「この舞台で野球ができて、間に合ってよかった。一生の思い出になりました」。悔しさを抱えながらも、やり遂げた充実感をにじませた。【田島優大】

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