<高校野球奈良大会:天理13-6畝傍>◇29日◇決勝◇佐藤薬品スタジアム

 天理が13得点で快勝し、春夏連続、夏は2年ぶり26度目の甲子園を決めた。初回に主将の船曳翔(かける)捕手(3年)が左翼へ2点適時打を放つなど一挙8得点。畝傍(うねび)から3回までに13点を奪った。橋本武徳監督(67)は「みんなの力が出せた。(大会を通じて)誰も諦めずに戦った」とねぎらった。

 今年のセンバツに出場したが、初戦で高崎健康福祉大高崎(群馬)に敗れた。スタメンを外れた船曳は、主将としてチームワークの必要性を痛感。寮でナインを集め「プレーのこともプライベートのことも腹を割って話そう」と提案。嫌われ役を買って出ると、チームに絆が生まれ、ピンチにも動じなくなった。準決勝の橿原学院戦を逆転で突破し、決勝に進んでいた。

 一丸となって、甲子園に乗り込む。船曳は「もちろん(自分が試合に)出たいけど、チームが勝つのが一番。天理らしい野球をしたい」と意気込んだ。

 ◆天理

 1900年(明33)創立の私立校。天理教校として発足。1908年に天理中となり、戦後の学制改革で天理となる。生徒数1201人(女子560人)。野球部は1901年創部。部員数60人。甲子園は春22度、夏は26度目。春1度、夏2度優勝。OBに元ダイエー門田博光、阪神関本賢太郎ら。天理市杣之内町1260。飯降成彦校長。◆Vへの足跡◆2回戦14-0帝塚山3回戦7-0奈良朱雀準々決勝3-0郡山準決勝7-6橿原学院決勝13-6畝傍