プロ初先発で、一気に虎の先発5番手争いトップグループ入りだ。阪神のドラフト2位石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が、中日とのオープン戦で初先発し、3回3安打1失点。持ち味の直球以外にも、シュートを駆使して「プロ初勝利」。森野を空振り三振に仕留め、ルナも2打数無安打。竜打線をひねり、先発投手として堂々のスタートを切った。

 温め、磨き続けた球で、先発への道を切り開いた。2回1死走者なしで迎えたのは、通算1479安打の左打者森野。カウントは1-2。5球目の外角シュートにバットが回った。空振り三振のお手柄が、55球の快投を一層引き立てた。

 石崎 一番気持ちが乗る球は真っすぐ。ただシュートも左バッターに通用した。ボール球もあったけれど、自信につなげられる球が何球かあった。

 スタメンには左打者がずらり7人。右スリークオーターから投げ込む石崎にとっては課題の左打者打線。しかも、プロ初先発。それでも、物おじなどしない。2回まで無安打投球。3回に3安打されたが、長打を許さず最少失点。チームに15年対外試合初勝利を呼び込む「プロ初勝利」だ。

 原動力のシュートを石崎は「必修球種」として掲げる。こだわりの直球が注目される中で、着々と準備を進めてきた。第2クールの6日。宜野座を訪れた元阪急の284勝投手山田久志氏(66=日刊スポーツ評論家)からコツを伝授された。投球時に左腕が開いてしまうため、ボールの変化が小さかったのだ。「『またあらためて教えてあげる』と言っていただいた。本当にありがたいです。絶対にシュートを投げないとやっていけないので」。キャッチボールから細かい矯正に励み、自分流にアレンジした成果は、在籍2年間で打率3割3分を残す敵の主砲も認めるほどだった。

 中日ルナ 僕に投げてきた変化球はシュートとスライダー。シュートがいい。(変化が)激しいんだ。

 そのルナとの対決は左飛と遊ゴロ。2打席目は、3回、1点差に迫られ、なおも2死二、三塁のピンチだったが「気持ちで負けなかったのが大きな収穫」。もちろん、まだ課題は多いが、確かな収穫もつかみ、自然と笑顔があふれた。

 前回実戦登板(17日)ではスライダーのみだった変化球に、シュートとチェンジアップを加えての快投。首脳陣のハートもわしづかみだ。和田監督は「(オープン戦)初登板にしては良かったんじゃないかな」とうなずき、中西投手コーチも「今の時点では(石崎、岩本の)2人だな。優先して(先発で)投げさせていきたい」。先発5、6番手争いで他候補を押しのけ、一気に1歩リード。次回登板も先発が濃厚となった。

 石崎の誓いは、任されたポジションでしっかり投げること。ただ、本音もある。「先発の方が(試合に)合わせやすいです」。開幕まで残すは32日。真っさらな1軍マウンドを目指す戦いが始まった。【松本航】