阪神藤浪晋太郎投手(21)のプロ初バースデー先発はちょっぴりホロ苦かった。毎回の7回で走者を背負い、9安打3失点。鳥谷の逆転2ランで救われた。「チームが勝ったのでよかったです。状態は悪くないけど抜群にいいわけでもない。もうちょっとしっかりしたい」。21歳の苦笑いに何とも複雑な感情がにじみ出た。

 出だしは最高だった。広島は藤浪が左に弱いデータを突き、前日4安打の4番ロサリオやV打の新井を外してまで、スタメンに7人左を並べてきた。1回に最速154キロを計測。左の安部と松山から空振り三振を奪ってみせた。

 2回の打席で「投手なのであるか分からなかったのですが、祝ってもらってよかったです」。応援団が「ハッピー・バースデー」を合奏。野手顔負けのバットで御礼した。1死一、三塁からジョンソンの変化球を左翼へ運ぶ先制犠飛。「福留さんが走ってくださったおかげです」。今季初打点で、西岡の2点目適時打にもつなげた。

 それでも5回に踏ん張り切れない。先頭野間の三塁打から2枚の右打者だった石原と菊池に適時打を浴びて同点。6回に西岡の悪送球も絡んで勝ち越された。和田監督は「立ち上がりから飛ばして球も走っていたけど、少し落ちてきたところでつかまった」と評し、藤浪も「甘かった」と悔やんだ。

 「最低限、試合をつくれたとは思いますが、もっとゼロに抑えられると思う。もう少しピシッと抑える投球がしたいです」。反省ばかりが口をついたが、黒星がつかなかった強運も神様からの誕生日プレゼントか。次回こそ21歳初勝利をスカッと決めたい。【松井清員】