え、初完封なの!? 巨人菅野智之投手(25)が阪神打線を4安打に封じ、プロ3年目でシーズン初完封を達成した。立ち上がりこそ不安定さものぞかせたが、打線が3回までに5得点。先制点をもらった試合では無敗のデータ通りに白星をつかんだ。リーグトップに並ぶ5勝目で、自身も白星が先行した。昨季のセ・リーグMVP右腕が、勝利量産態勢に突入した。

 プロ初完封は、快適な1人旅だった。菅野は序盤に大量援護を受けると、スイスイとアウトを重ねていった。4安打完封を決めた直後のヒーローインタビューには、疲れた様子を見せずに笑顔で登場。「いずれできればというのは持っていた。今日できてうれしいです」と声を弾ませた。

 負ける要素がなかった。この試合前まで、先制点をもらった試合では24戦21勝無敗で、菅野の防御率は1点台。2回に阿部の2ランで“安全ライン”を突破し、3回にまた3点も援護をもらった。「阿部さんの本塁打で気持ちが楽になりましたし、打者のみなさんのおかげです」と感謝し、完封はあくまで“副産物の結果”と捉えた。

 理念がある。「毎試合、1回から最後まで投げきるイメージは持っています」という先発投手の本能を持つ一方で、「僕が先発して(抑えの)沢村さんにセーブがつくのがいい勝ち方」と全体を俯瞰(ふかん)する。先発が長いイニングを投げるのは大前提。目先の完投完封に固執せず、1年間を通して投手陣が役割を果たしながら、無理をせずに回っていくのが大事だと分かっている。帰りのバスに乗り込む際には「1年目なら感情も違うでしょうけど、ある程度試合数をこなしているので、シーズンを投げ抜くのが大事」と表情を戻していた。

 だからこそ、大量リードにも気は緩めずに攻め抜いた。8-0となって迎えた6回裏に無死二塁を招いたが「3連戦の初戦ですし、1点と0点では意味合いも相手に与えるダメージも違う」。相手の戦意を完全に刈るべく、厳しく内角を攻めた。2死二塁で、この試合までの対戦成績が14打数7安打の西岡を内角直球で投ゴロに仕留め、“天敵”の心も折った。配球もフォークを少なめにし「新しいパターンができてよかった」と収穫も得た。「明日、明後日につながるゲームができた。いいきっかけにしたい」。今季初の同一カード3連勝に向け、菅野が波に乗せた。【浜本卓也】

 ▼菅野が散発4安打でプロ初完封。13年広島とのCSファイナルステージ第2戦で完封はあったが、公式戦ではプロ3年目、通算30勝目で初めて。完投はプロ6度目(勝利4、敗戦2)。13年6月15日ソフトバンク戦では9回に1失点し、初完封を逃していた。また、14年4月4日中日戦と今年4月22日広島戦は8回まで無失点に抑えたが、スコア2-1、1-0と僅差のため、9回は西村、沢村が救援していた。