カープ史上初のおとこ気援護じゃ! 「日本生命セ・パ交流戦」で、広島打線が本塁打攻勢でソフトバンクを沈めた。2回に田中広輔内野手(25)の2ランで先制すると、4回には鈴木誠也外野手(20)がソロで加点。9回には石原慶幸捕手(35)が1号を放った。9安打6得点の効果的な加点に、球団史上初のヤフオクドームでの3発。それも新設されたホームランテラスを必要としない“文句なし弾”だ。勢いに乗っていくしかないじゃろ~。

 球団史上初のヤフオクドーム3発に、テラス弾は似合わない。今季から新設されたホームランテラス。だが、広島打線は不要とばかりに、豪快弾を立て続けに見舞った。先発黒田が踏ん張れば、野手陣も負けてはいられない。着弾点はいずれも、昨季まででも本塁打だったことを示していた。おとこ気の背中に“正統派本塁打”で応えた。

 マウンドで腕を振る黒田に負けじと、誰もが燃えていた。先制2ランの田中は前日11日の西武戦で4打数無安打。2度の得点機で見逃し三振に倒れていた。反省を生かした第1打席は2回2死一塁。2球目、摂津のシンカーをとらえた。「入ってきた変化球をうまく打てました。いい感触でした」。打球は右翼ポール際、スタンド中段まで飛んだ。

 2本目の鈴木誠もまた、雪辱に燃えていた。守備固めで起用された10日西武戦で記録こそ適時二塁打だったが、まさかの落球。「あんなミスをしてしまって…。それでも使ってもらえる。守備はもちろん、絶対打ってやろうと思った」。4回1死から摂津のシンカーを左翼スタンドに突き刺した。外角中心の配球に、中堅方向を意識し、タイミングを合わせた。

 女房も黙っていない。3本目は石原だ。9回1死から、左腕嘉弥真のボールを左翼スタンド最前列に運んだ。「もう忘れました。配球? まんべんなく使えたし、ゴロを打たせられたのでよかった」。黒田のボールを受け、援護してやりたい気持ちは人一倍、強かった。3回の1点にも絡み、ベテランが味を出した。

 これで借金を7とし、10年から続いていたヤフオクドームでの連敗も8で止めた。緒方監督は黒田、石原のバッテリーをほめた後、「広輔は気持ちをしっかり持っていい結果を導き出してくれた。鈴木誠? 埼玉でボーンヘッドから始まって。でもなんか持ってる。結果を出してくれるからね。今日は最高のゲームでした」と目を細めた。強力打線のお株を奪った福岡の夜。おとこ気は黒田だけではなかった。【池本泰尚】