長かった。西武牧田和久投手(30)が5月8日以来2カ月ぶりに勝った。開幕戦もディクソンと投げ合い7回無失点での1-0だった。その再現で8回散発3安打無失点と完璧な内容で5勝目を挙げた。

 「苦しかった」と開口一番に言った。4回無死満塁の時には、三塁側ベンチ前で投球練習をしながら祈るように見詰めていた。しかし点は入らない。「やっぱり1点もやれない」と言い聞かせた。2カ月間の7試合はクオリティースタートが5回。早期降板は1度だけでも勝てなかった。開幕投手を務めて以来、どうしてもローテーションではエース級とぶつかる。マイナス思考に陥っていた。

 5回は先頭T-岡田に二塁打を許し、チャンスの後にピンチがきた。打席にはお世話になった元同僚の中島。「絶対に打たれたくなかった。厳しいところを攻めて攻めて攻めていくしかない」とプラス思考になっていた。内角をえぐる直球で空振り三振。2回の第1打席も内角直球で二ゴロ併殺に仕留め、3打席とも走者を置いた場面で抑え込んだのが勝因だ。

 腕を強く振った。「吹っ飛んでもいい」と覚悟を決めた。真っすぐは129キロだが、最も遅い94キロのカーブに至るまでの変化球も腕を振った。ピンチではギアを入れた。全球勝負球のつもりで投げた。究極のプラス思考に転じた時、開幕戦の1-0勝利が転がり込んできた。「うれしくてたまらない。勢いよく勝ち続けていきたい」。開幕投手の復活勝利で、3連勝のチームも勢いは加速する。【矢後洋一】