阪神和田豊監督(52)の「我慢」も首位奪回の大きな要因になった。今季4戦全敗のポレダを相手に、この日、刺客に選んだのは新井と江越だ。前日21日、ともに3打数無安打。バットはくるくる回り三振を繰り返す。そんな2人を抜てきすると、勝利の立役者になった。

 心を見抜く用兵だった。特に前夜に1軍再昇格したばかりだった新人江越の気負いを読み取り、試合後に「冷静になれば、また違うものが見えてくる」と指摘していた。この日、快音を見届けた指揮官は納得顔で言う。「昨日は上がってすぐの試合だったので平常心でできないところもある。気持ちが勝ってしまっている。今日は2戦目ということで、比較的落ち着いて打席に入れた」。リーダーに必要な辛抱強さが実った。

 思惑通りの働きぶりだった。新井も1回、天敵ポレダに3点打を浴びせて優位に立った。3回には井端の三遊間へのゴロをダイビングキャッチ。能見をもりたてた。和田監督は言う。「良太が打つだけじゃなく、三遊間も飛び込んでアウトにしました。とにかく序盤は結構、雨が強かったけど、それでも集中してしっかり守ってくれた」。引き締まった試合運びで巨人に連勝だ。

 巨人を抜いて同率のヤクルトと並んで再び首位に立った。「今日は、ずっと打てなかった投手に対してチームで攻略できたことが今後にも大きい」。天敵を倒して堂々のトップへ。空前のデッドヒートから抜け出すためにも、大切な1勝をつかんだ。【酒井俊作】