敗戦の中、阪神マット・マートン外野手(33)が2二塁打と暴れた。2回に右翼線二塁打、3回にも左翼へ適時二塁打と今季25度目のマルチ安打をマーク。1試合で2本の長打となれば4月14日中日戦(ナゴヤドーム)以来、今季2度目だ。勝利には結びつかなかったが、本格的な夏の到来とともに「猛虎のヒットマン」が調子を上げてきた。

 4万6908人の観衆で埋まったスタンドがもっとも沸いたのは3回だ。4番ゴメスの犠飛で1点を先制し、なおも続く2死一、三塁のチャンス。DeNA砂田が投げた高めのボールぎみストレートを強引に引っ張った。2点目となる適時二塁打だ。2回にも右翼に二塁打を放っており、2イニング連続の長打だ。

 守備ではヒーローになり損ねた。5回、DeNA先頭のバルディリスが左翼フェンス際に放った大きな打球をギリギリでキャッチできず、二塁打に。「あそこは本人の感覚だから分からない」と山脇外野守備コーチが言うプレー、取っていれば間違いなく美技。そこをキッカケに逆転を許しただけにもったいなかった。

 敗戦とあって、試合後は何も語らずロッカールームに消えたマートンだが連日の暑さの中、バテている様子はない。

 「夏は大好きだよ」と本人が言うとおり、もともとがスロースターター。これからが本領を発揮する時期だ。ペナントレースもこれからが本番。頂上へ向かう旅にマートンのバットは欠かせない。【編集委員・高原寿夫】