黒田が帰ってきた! 広島黒田博樹投手(40)が、ヤクルト13回戦に先発し、7回7安打1失点の粘投で46日ぶりとなる7勝目を挙げた。右肩と右足首の炎症で7月8日に選手登録を抹消されてから公式戦は中20日での登板。それでも丁寧かつ大胆な投球で、ヤクルト打線を手玉に取り、打席でも大量得点に貢献した。完全復活を印象づけたベテラン右腕が、チームを4位浮上に導いた。
黒田の威圧感が、7連勝のヤクルトの勢いを止めた。投げては7回7安打1失点。打席では6回2死一、三塁から四球を選び、大量5得点につなげた。7回を投げ終えると、一塁側スタンドの広島ファンからスタンディングオベーションで迎えられた。
「スムーズに試合に入れたと思う。いい球はなかったが、石原がうまくリードしてくれた」
2回以降は毎回安打を許したが両サイドを丁寧に突き、要所では140キロ後半の直球系の球で押した。連打を許さず、好調ヤクルト打線を分断。丁寧な投球は無四球の数字に表れた。
右肩と右足首の炎症で7月8日に選手登録を抹消された。18日球宴で2イニングを投げたが、公式戦は7月7日から中20日での登板となった。しかも相手は7連勝中と好調のヤクルト。「塁に出すとつながってくる打線。丁寧に投げようと意識し過ぎると、ボール先行の投球になるので、カウントを悪くしないように心掛けた」。前回5月1日の神宮での登板は右足首の炎症により精彩を欠いたが、この日は7回を投げ抜いた。黒田の存在感は打席でも際立ち、2回に犠打を決めると、6回にはチャンスを広げる四球を選んだ。緒方監督も「何といっても今日はあの四球がすべて」と絶賛した。
黒田不在の間、チームは4勝7敗と苦しんだ。しかしシーズン半ば、黒田は外国人選手にメッセージ入りのTシャツを贈った。前面には「Don’t worry」、背面には「Be happy」の文字。開幕時抑えを務めていたヒースが苦しんでいるときに言い続けてきた言葉だった。「誰もがいつも100%抑えられるわけじゃない。彼らにはいつも口にしている言葉なので、Tシャツにしたらいいかなと思った」と通訳らに相談して発注した。
広島は連勝で4位に浮上した。それでも、まだまだ借金4を残す。「ひとつひとつですね。チームが勝てたことが一番ホッとしている」。黒田らしい言葉だった。【前原淳】



