「師匠」に続いた。楽天戸村健次投手(27)はマウンドで教えを忠実に守った。「メンタルのコントロールができればボールのコントロールもできる」。自主トレをともに行うマリナーズ岩隈から授かった金言そのままに、闘志を白球に込めた。4回無死一、三塁。迎えたピンチでロッテ・クルーズの胸元をえぐった。初球、142キロの直球で攻めた。捕邪飛に打ち取り、続く大松を二ゴロの併殺に仕留めると小さくほえた。

 12年オフに塩見らと「何かを変えたい」と岩隈の自主トレに参加。ロサンゼルスから車で約1時間の場所に一軒家を借りて、共同生活。一流の選手がどんな練習、暮らしをするのか、知りたかった。食中毒防止で朝食の目玉焼きは両面焼くこと。じっくり走り込み、息抜きにゴルフをすること。さまざまなことを学んだ。

 今年心に刺さった言葉がある。「練習では良いボールを求める。試合では自分の調子とボールを見て、打者が嫌がるピッチングをしろ」。この日は直球がさえた。昨年までは四球病とやゆされた制球難も、外角低めへズバリ。捕手嶋も「ミットを動かす必要がなかった」とうなった。7回無失点と抜群の投球だった。

 試合前、岩隈へメールを送った。「また先発に戻ったんで、師匠に続きます」。返事は「自分ができることを信じてやってくれ」だった。岩隈の言葉は何よりも励みになった。「後で勝ちましたって送ろうと思います。きっと喜んでくれると思います」。師弟そろって東北に元気を与えた1日だった。【島根純】