これぞ4番の仕事! 中日が平田良介外野手(27)の連日のV打で連勝を飾った。4番の働きでクライマックス・シリーズ進出が危ぶまれる崖っぷちで踏みとどまった。先発は若松が粘り抜いた末の6回1失点で6勝目を挙げた。
集中力を極限まで高めていた。6回無死二塁。2ボールからの3球目。宮国の直球1本に的を絞った平田が141キロを鋭く振り抜いた。打球は左中間フェンスを直撃。耐えて、しのいで、苦しんだ末に勝ち越しの1点をひねり出した。
2試合連続の決勝打だった。竜の応援歌「狙い打ち」にある「おまえが打たなきゃ誰が打つ」の心境だった。連日のお立ち台に上がった平田の口からは同じせりふが出た。「絶対、打ってやろうと思った」。
7月下旬から4番に固定され、16試合目。気持ちは一貫している。「僕は4番打者ではない。4番打者のタイプではない。4番目の打者と思っている」。確かに長打力は自他ともに認める長所だが、打席での粘り、高い出塁率、走塁のうまさなども平田の長所。4番に座っても自分は変えない。「平田良介の個性を最大限に生かした上での4番として使ってもらっている」と首脳陣に感謝する。
もう1つの長所が高い修正能力だ。1打席目、138キロの直球をミスショットして一飛に倒れた。4月以来の対戦だった大竹について「イメージが違った」。直球がややカット気味に変化していた。「そこを踏まえて2打席目に入ったのがよかった」と目付けを修正し、4回に外に逃げるスライダーを中前にはじき返す同点打を打った。
前日に5連敗を止めてから自らのバットで2連勝。試合後にはドーム内での花火も実施され、居残ったファンも勝利の味をあらためてかみしめた。ペナントレースの希望の糸は切れかかっていても、切れてはいない。4番のひと振りに込められたメッセージは何より雄弁だった。【柏原誠】



