日本ハムが、崖っぷちで意地を見せた。楽天25回戦で、打率チーム首位の近藤健介捕手(22)が2安打を放ち2試合連続3打点を挙げるなど、先発全員の13安打で快勝。優勝マジック2としていたソフトバンクの、この日のV決定を阻止した。8日ソフトバンク戦からの5連敗で、ライバルの独走をさらに加速させたが、前夜に続く2連勝。最後まであきらめない。

 脳裏に描いたイメージを、忠実に再現した。近藤の一振りが、V逸を食い止めた。3回1死満塁。楽天戸村に対する傾向と対策はバッチリだった。「シュートが頭にあったので、逆方向へというかセンター返しを狙う意識で打ちました」。カウント2ボールから143キロのシュート。思い描いた通りに左中間へはじき返した。主導権を完全に奪う走者一掃の適時二塁打。塁上で笑みもはじけた。

 打線はレアードの先制29号ソロを皮切りに13安打6得点。先発全員安打をマークした。13日から岡、谷口、浅間を再昇格させてカンフル剤を打った栗山監督の思惑通りに野手陣が活性化してきた。その中で近藤は好調をキープ。前日14日も3安打3打点で、9月は全11試合出場で打率3割7分8厘。「詰まることを恐れず、強いスイングを心がけている」。ぶれない信念が、根底にある。

 今や打線に欠かせない5番打者が、本職へ復帰する可能性も出てきた。この日、頸椎(けいつい)捻挫のため市川が抹消。栗山監督は「またチャンスになる。キャッチャーなんだから」と、6月27日西武戦を最後にマスクをかぶっていない近藤の再登用を示唆した。試合前のシートノックでは外野や一塁も守る。ポストシーズンへ向けて広がる起用法の選択肢。「いつ、どこで行けと言われてもいいように準備したい」と、本人も望むところだ。

 負ければソフトバンクの連覇が決まる可能性があった試合で意地を見せたが「もっと先を見据えてやっている」(栗山監督)。土俵際の戦いを続けながら、CSへ向けて、戦力も整備していく。【木下大輔】