巨人がヤクルトにマジック「3」の点灯を許した。石川と中4日同士の投げ合いになった先発菅野智之投手(25)が5回、その石川に先制打を打たれた。打線は7回以降、毎回得点圏に走者を進めたが、どうしても1本が出なかった。今季の東京ドーム最多となる4万6797人の前で決戦に敗れ、残り4戦でゲーム差は2。崖っぷちに追い込まれた。

 局面で差し合いに敗れた。1つ1つは紙一重かもしれない。しかし紙一重の蓄積が、ヤクルトにマジック「3」の点灯を許した。巨人が追い込まれた。

 菅野は石川のバットに屈した。5回1死二、三塁。闘争心の塊は、2-1からの変化球に、体勢など構わず食らい付いてきた。直前の際どい149キロがボール判定で「難しい選択だった」。右前の先制適時打には、とてつもない重みがあった。この回2点。原辰徳監督(57)は「2点目が遠かった」。追い付けなかった。

 中継ぎが締め、7回から潮目が来た。7回無死一、二塁で打者岡本。寺内を代打に送った。膨れ上がったドームの誰もが、送りバントで好機拡大を疑わなかった。一塁手の巨漢・畠山が猛突進してきた。寺内は3球ファウルして失敗した。名手は9回無死一塁でも送れなかった。原監督は「みんなでカバーしないと」と責めず、「坂本、長野。1点取らないと」と言った。

 8回1死三塁からの攻防だった。坂本は2ボールから、オンドルセクのボールをこすり上げた。5万近い人間が大歓声から一転して静まり返ると、一種異様な空間になる。寺内のバント同様、誰もが想像しない捕邪飛。真中監督は、すかさずバーネットを突っ込んできた。阿部が死球で一、三塁。続く長野が振った3球は、すべて外角のボール球だった。

 最後はベンチ全員が立ち上がっていた。残る野手は鈴木だけだった。前日先発の高木勇が登録を外れた。1枠を余した精鋭27人で臨んだ。左腕石川に対して右を並べたスタメン。寺内がバント失敗した後の7回、変則左腕の久古に対して仕掛けた代打攻勢は、堂上、アンダーソンの左打者だった。局面の打ち手もヤクルトに屈した。原監督は「戦い方は変わらない。1戦1戦」と言った。10月4日の最終決戦を信じて。まずは28日、伝統の一戦を取るしかない。【宮下敬至】