ロッテ古谷拓哉投手(34)は感情を抑えられなかった。1-1の6回2死走者なしから、ソフトバンク打線につかまった。3連打で2点を失い降板。ベンチに下がると、利き腕の左手で自分の太ももを力いっぱいたたいた。伊東監督が近寄り、握手してくれた。だが、試合後も「悔しいというレベルの話じゃない。打たれたら何も残らない。みんなに申し訳ない」と高ぶっていた。

 報われなかった。2回1死で李大浩に先制ソロを許したが、崩れない。変化球を低めに集め、時に直球で内角をえぐった。最速は140キロに届かないが、打たせて取る投球で、150キロ超のバンデンハークと渡り合った。6回2死一、二塁での内川の勝ち越し2点打は、低いカーブをうまく拾われたもの。前寄りに守っていた左翼手の頭を越された。悪い球ではなかったが「打てない球を投げないといけなかった」と、自らを責め続けた。

 9月21日以来と間隔が空いたが、気持ちを切らさずに来た。3週間ぶりの実戦も「問題なかった」。ただ、結果は無情だった。伊東監督の「今年一番の投球。代えて申し訳なかった」の言葉が全て。チーム最年長投手は「勝つことを信じてやるしかない」と、日本シリーズでの登板を念じて球場を去った。【古川真弥】