主軸は任せろと背中で語った。ロッテからFAで楽天に新加入した今江敏晃内野手(32)が16日、沖縄でロッテ大松、根元らと行っている合同自主トレを公開し、柵越えを連発した。ロングティー68スイング中26本を左中間にたたき込んだ。「こんなに入ったことは今まで全然なかった。昔のパワフルな打撃を取り戻そうと、工夫した成果が出てきた」。PL学園からプロ入りし、15回目のシーズンを前に「パワフル(P)なロングヒッター(L)」復活の糸口をつかんだ。

 秘密は逆三角形の背中にあった。昨年はプロ3年目以来となる、わずか1本塁打に終わった。個人トレーナーらと原因を探った結果、下半身に対して上半身の筋力が弱いという結論が出た。以降は腕立て伏せや、1キロのマスコットバットで打撃練習を続け、明確な変化が起こった。

 今江 今まで1回もできなかった懸垂が、5回はできるようになったんです。広背筋が鍛えられて、ようやくアスリートらしい体になった。服を着ても違う。

 一般的に、長距離打者は背筋が強いといわれる。昨年10月のシーズン終了から約3カ月の地道な取り組みが、体幹と腕をつなぎ、大きな力を生み出す重要な筋肉をもたらした。「パワーがついてきた。本当ですよ」と、練習中には90キロの体で懸垂の実技も披露。持ち前の勝負強さに、長打力という武器が加わった。

 上下の筋力バランスが整えば故障の確率も減り、初の全試合出場へも大きく前進する。「今までは下半身に頼りがちだった。間違いなくケガ防止にもなる」と思わぬ副産物にも期待している。1年を通して主軸を打ち、三塁を守り抜くという目標がある。攻守の準備は万全。移籍初年度を最高の年にする。【松本岳志】