阪神金本知憲監督(47)が鳥谷敬内野手(34)の変身に「超変革」の手応えを感じ取った。8日、サブグラウンドで西岡剛内野手(31)と初の内野特守に臨み、元気にヤジったり声を出す姿に目を細めた。就任間もなく「変われ」指令を出した寡黙なチームリーダーの変身。「手抜きの神様」と命名した西岡との二遊間コンビが、理想の開幕オーダーなのかもしれない。
メーン球場での打撃指導を終えた金本監督は、目玉メニューの時間を確認してサブ球場に足を運んだ。目に飛び込んできたのはハツラツとして、二塁西岡と特守を受ける遊撃鳥谷の姿だった。「ノックで声を出したり、いろいろヤジったり、変わりつつある。こちらの期待に応えよう、変わろうとしてくれているよね」。目を細めたのは背番号1の変身だった。
就任間もない昨年10月20日、甲子園で個別面談して言った。「お前が変わらないとチームが変わらない」。闘志を内に秘めるタイプで感情を表に出すことは少なかった。時に消極的に映る姿は改革を目指すチームリーダーとしては物足りない。寡黙な男に求めた超変革。「ありがたいことです」とうなずいた鳥谷が、行動に移していることがうれしかった。
「ヘイヘイ、もう1本!」。西岡がはじくとヤジって激励。「ヘイ、ノッカー、しっかり!」。果てしない連続ノックに明るさが生まれた。フリー打撃では期待の陽川らに手本を示して助言。チーム全体も見渡し、前のめりな男に変わってきている。指揮官は「動きも西岡より(3歳上の)トリの方がいいぐらい」と満足げで、強振指令した20発打者への変身にも手応えの二重丸だ。
金本監督は右肘の故障から復活を期す西岡とも、絶妙のコミュニケーションをはかった。球際で追いつくと「やればできる子。やってないだけや」と大声。帰るフリをして舞い戻ると西岡も爆笑した。「(西岡は)見に来やがったか…と言う顔をしてたね。手抜きの神様やからね。頑張ってるポーズは素晴らしいし、日本一じゃない?」。現役時代に弟分の新井貴浩をイジリ倒したように、信頼関係も深まってきた。
「トリは自覚があって言わんでもやる子。西岡は首根っこつかまえて尻に火をつけんとやらない子。でもトリと西岡に声が出ると、あとは自然に(声が)出てくる。ダブルりょうた(新井と今成)も声を出してくれてるから、ゴメスも前向きにノックを受けてるしね」。「鳥の変革」がもたらす効果は、監督の想像以上に大きそうだ。【松井清員】



