福島出身の若手投手が、開幕1軍を目指して奮闘している。楽天横山貴明投手(24)はオフに肉体改造を実施。14日に行われた韓国ハンファ戦では1回を完璧に抑え、梨田監督の評価も急上昇中だ。浪江町出身で今年1月に後援会が発足。原発事故の影響で全町避難を続ける地元のためにも、先発枠を勝ち取る。

 横山の体の厚みが変わった。ゆったりしたトレーニングシャツの上からでも、胸の筋肉の隆起が目立つ。「オフの自主トレで5キロ増えました。目指すはアメフット選手のような体。デカくて動けるようになりたい」。理想は今季NFLでMVPを獲得したパンサーズのQBキャム・ニュートン。15種類のサプリメントを使いこなす“肉体オタク”は投げて良し、走って良しのスターを夢見ている。

 見かけ倒しでないことを証明した。14日の韓国ハンファ戦では最終回に登板すると、1回をピシャリ。最速は141キロだったが、威力満点の直球でねじ伏せた。「直前のシート打撃では145キロ出ていましたし、直球の力が上がっている。筋力の増加がプラスになっている」と胸を張る。梨田監督も「良い球を投げていたね」と評価するほど、キレも伸びも抜群だった。

 気持ちも体を支えている。昨年は先発として開幕ローテを獲得。しかし、2試合で2軍落ち。結果を残せず、今年は2軍キャンプから沖縄・金武町で1軍合流と、はい上がってきた。「去年の立場でないことは感じている。先発ローテ争いができるところまでガンガンアピールしないと」とハングリー精神が結果につながっていると分析した。

 先発を勝ち取りたい理由もある。今年1月に後援会が発足。福島市内で行われた設立総会では避難生活をしている地元福島・浪江町の人々を中心に約130人が集まった。「地元への思い、震災への思いは変わらない。応援してくれるからこそ、活躍しないと」と意気込む。たくましくなった体と心で、再びローテをつかみ取る。【島根純】

 ◆横山貴明(よこやま・たかあき)1991年(平3)4月10日、福島県浪江町生まれ。聖光学院では2年春夏と3年夏に甲子園出場。早大に進学後、13年ドラフト6位で楽天に入団。14年8月30日の初登板で史上初のデビュー戦1球勝利を果たした。右投げ右打ち。