西武が前夜快勝の流れに乗れず両リーグ最速で60敗。6月9、10日以来遠ざかる2連勝を、またしても逃した。

 先発十亀剣投手(28)が2点を先制した直後の1回に2失点。同点で迎えた4回には、四球も絡んだ無死一、二塁から藤田のバントを捕手岡田が三塁封殺。傾きかけた流れを寸断したかに見えたが、続く9番嶋を歩かせた。自らピンチを広げた1死満塁で、島内にシュート回転して甘く入った直球を捉えられ、痛恨のグランドスラムを献上した。

 4回2/3を、ともに今季ワーストの被安打11の7失点。終盤に浅村の15号ソロ、森の適時打などで追い上げただけに、中盤までの大量失点が響いた。4敗目を喫した右腕は「先発投手としての役割を果たせませんでした。今日は自分自身で窮屈なピッチングをしてしまいました」と唇をかみしめた。

 田辺徳雄監督(50)は「(1回に)相手のエースからうまく点を取ったけど、なかなか追加点を許さない。こっちの投手が粘ってくれてたらよかったが…」と苦い表情。潮崎ヘッド兼投手コーチも「(4回に与えた2四球は)無死一塁と、1死一、二塁で9番バッター。一番やっちゃいけない。チームにとってがっくりくる。もったいない」と厳しかった。