日本ハム大谷翔平投手(22)が2本塁打で、首位ソフトバンクを圧倒した。今季無敗の千賀から1点リードの3回に左越え2ラン。7回にも中堅へダメ押しの特大2ランと畳みかけた。引き分けか敗れれば、ライバルにマジックがともる一戦で、14年以来、プロ2度目の1試合2本塁打。直接対決3連戦を1勝1敗のタイへと持ち込み、再び5ゲーム差に縮めた。

 マジック点灯を熱望する敵地を、豊かな才能で沈黙させた。1点リードの3回無死一塁。大谷がパワフルに対抗した。千賀の外角高め148キロ、見逃せばボールの3球目に食らいつく。白球にバットをかぶせるように合わせ、逆方向へ振り抜く。左翼のホームランテラスへたたき込んだ。「たまたまですね。結果的に良かった」。クールだが、燃えていた。

 前夜は今季6度目の3安打猛打賞で1盗塁と孤軍奮闘も、1点差で惜敗。この日、引き分けか黒星でソフトバンクに優勝マジックが点灯する一戦で、逆に再反攻の灯をともした。「みんな勝ちたい気持ちでやっている」。中盤6回まで4点リード。快勝の仕上げは7回だ。1死二塁から、左腕嘉弥真の甘く入った138キロを撃ち抜いた。低い弾道で加速して伸びる。最深部の中堅への驚異の1発だった。

 この日は全5打席で3三振も、ほか2打席はマルチな2ラン。1試合2発は20歳の誕生日だった14年7月5日ロッテ戦以来2度目のこと。栗山監督は「(プロ入りして)一番の当たりだったんじゃないか。そこは信頼もしているし、尊敬もしている」と賛辞の嵐。今季16号でソフトバンク戦で半数の8本目。昨季は12ゲームの大差を付けられた宿敵へ、ファイティングポーズを取り続ける。報道陣には「勝ちたい」のフレーズを連呼した。

 大谷 それ(反骨心)が結果につながっているかは分からないですけれど勝ちたいという思いでは、やっている。

 この日、リオ五輪が開幕した。大谷も「たぶん、見ると思います。応援したい」という。4年に1度の一大イベントに球界も話題をさらわれがちだが、閉幕したころに正真正銘のペナント争いをスポーツファンへと届ける使命、義務がある。左翼と中堅へ描いた2本の放物線を、栄光への架け橋にする。【高山通史】

 ▼大谷が14年7月5日ロッテ戦以来2度目となる1試合2本塁打。大谷は今季16本塁打のうち8本がソフトバンク戦で、このカードは48打数20安打の打率4割1分7厘。20安打の内訳は単打9本、二塁打2本、三塁打1本、本塁打8本で合計48塁打となり、ソフトバンク戦の長打率(塁打÷打数)はちょうど10割。王(巨人)でさえ68年中日戦(10割2分4厘)の1度しかやったことがない同一カード長打率10割を記録できるか。