広島岡田は燃えていた。前日7日にドラフト1位ルーキー加藤が快投し、前年ドラフト1位には大きな刺激になった。立ち上がりから150キロオーバーを連発。守備陣にも助けられてゼロを並べた。9回1死まで完封ペースも、ここからピンチを招いて降板となった。「力みました」。ただ、8回1/3を5安打1失点で今季初勝利。加藤に負けじと投げた147球が実った。

 「長いイニングを投げられてよかった。降ろされるまで投げ切ろうと思っていた」。最大のピンチは8回だった。2点リードの2死一、二塁で打席にバレンティン。1発を浴びれば逆転という場面でフルカウントとなり「四球でもいいという気持ちで」投じた6球目。逃げるスライダーで、空振り三振に打ち取った。岡田は小さく拳を握った。「空振りで本当によかった」。131球目で勝負を決めた。

 キャンプ中、ブルペン捕手に軌道を何度も確認した。理想は右打者方向に膨らまず、直球の軌道から鋭く曲がるスライダー。曲がりの幅は小さくなっても、打ち取れると確信していた。初完封はお預けとなったが、緒方監督も「投げきってほしかったけど、力を発揮してくれた。大したもんだ」と評した。昨季限りで大黒柱の黒田博樹氏が引退したが、若手投手の台頭がめざましい。