交流戦はパ・リーグが8年連続で勝ち越し、セ・リーグの盟主巨人は球団ワースト13連敗、パは楽天の快進撃が続き、セは広島、阪神が好調をキープ…。話題盛りだくさんのシーズンの中で、真剣勝負から生まれたハプニングや、ちょっと気になる話題などにスポットを当てる日刊スポーツ選定「プロ野球事件簿」。今日23日に再開されるレギュラーシーズンでも、ますますの熱戦に期待しましょう。

 プロ野球界も最新テクノロジーを駆使する時代に突入している。パ首位の楽天が14年に導入したミサイル追尾の軍事レーダー技術を応用する「トラックマン」は、投球時のボールの回転数やリリース位置、変化球の曲がり幅、打者の打球角度などが正確に分かる。ソフトバンク、巨人、DeNAなど各球団が同様のシステムを導入している。

 8試合連続2ケタ奪三振の“世界タイ”をマークした楽天則本は、1日の巨人戦では、151キロの直球で2544回転をマーク。プロでも2200回転で速いとされる中、奪三振の源となる「ボールのキレ」を数値で実証した。ペゲーロの場外弾は151・3メートルという正確な飛距離で、球場史上最長本塁打に記録された。

 楽天嶋は「何で打たれたのか、そういう目線で見る。投手の状態を見る点でもいい」と言う。楽天では選手1人につき1台iPadを支給。チーム戦略室が膨大なデータを処理、投手のリリースポイントをグラフ化するなど、選手やコーチにフィードバックする。IT球団らしい知的戦略で首位をキープしている。【プロ野球取材班、前田祐輔】