阪神のファン感謝デーが25日、甲子園球場で行われ、金本知憲監督(49)が来季の新スローガン「執念 Tigers Change 2018」を発表した。チームの底上げを図り、昨年の4位から2位に躍進。来季はより勝利への執念をたぎらせ、勝ちにこだわる。また、ユニホームもホーム用、ビジター用ともに一新。打倒広島、そして13年ぶりのV奪還を目指す2つのシンボルのもと、金本阪神が一致団結で戦う。

 超変革の第3章では、チームに魂を込めていく。ファン感謝デーの冒頭。3年目を迎える金本阪神の新スローガンが発表された。「執念」。シンプルで泥臭い言葉を選んだ。金本監督がファンの前で力強く宣言した。

 「執念という新スローガンでいきます! 勝ちに対する執念、打席での執念、マウンドでの執念、守っているときの執念。それを前面に出して、来年優勝できるように戦っていきたい」

 就任以来、ナインに球際の強さを求めてきた。あきらめない姿勢が勝利につながる。その決意表明でもあった。球団関係者とともに複数の候補から絞った。

 「皆さん、球団フロントを含め、そういう気持ちや姿勢を全面的に打ち出したいと。日本語で古そうだが、古き良きもの、気持ちやメンタルは一番の基本だから」

 現役時代は人一倍の執念を見せてきた。04年には左手首を骨折しながら、強行出場。右手1本で2本のヒットを放った。連続フルイニング出場の世界記録樹立はその執念の結晶ともいえる。メンタルの重要性を説いた。

 「打席で執念以上のものはあった。一打逆転で2ストライクに追い込まれたら、気分は地獄よ(笑い)。そこで集中力や絶対に何とかするという気持ちがあったほうが結果はよかった」

 五輪を見て、確信したことがあった。

 「メンタルに古い、新しいはない。メダルを取った子が、みんな言うでしょ。『チームのため』とか『悔しい思いを引きずって、がんばってきた』とか。19、20歳の子が言うんだから」 どの世界でも勝つために、執念は欠かせない。超変革の名の下に、今季は「挑む」で2位に躍進。来季は鍛え上げたチームに、勝者のメンタルを植えつける。13年ぶりのリーグ制覇に、必要不可欠な要素だ。【田口真一郎】