若手を強烈にけん引する。巨人菅野智之投手(28)が20日、自主トレを行っていたハワイから帰国した。約1カ月間、畠、宮国、中川ら若手投手5人を引き連れ、投手陣の底上げを図った。「全員3キロ以上は増えた。体の変化は、うまくなりたいという気持ちの変化につながる」。筋力トレーニングを中心に、徹底的に体をいじめ抜いた。寝食を共にし、毎日体重を計測した。「ランニングで、人よりも前に出ていこうという気持ちが出てきた」と望んでいた闘争心も見え始めた。プロ5年で培ったノウハウを伝えてきた成果は、行動に表れてきた。

 自身の投球で、芽吹いてきた若手をさらに伸ばす。「若い投手にプレッシャーがかからないように、カードの頭を取ったり、連敗中は悪い流れを止めることを意識して投げたい」。チームは昨季、球団史上最悪の13連敗を経験。どん底の状況で勝ち切る難しさを学んだ。だからこそ、チームが4位からはい上がるために、自身の経験、考えを若手へ伝える使命感を覚えた。「後輩の姿から刺激を得られた。僕も負けられない」。自分だけのことを考える立場ではないと分かっている。エースとして、リーダーとして、チームを引っ張る。【桑原幹久】