勝負手は藤浪だ! 阪神藤浪晋太郎投手(23)が、開幕2戦目の31日巨人戦(東京ドーム)の先発を託されることが25日、決定的となった。同戦の先発は岩貞、能見、小野がラスト登板まで争ったが、首脳陣は最終的な総合判断として、背番号19の底力に懸ける方針を固めたようだ。

 チームはこの日、オープン戦最終戦のオリックス戦(京セラドーム大阪)で引き分け、最下位が決まった。開幕巨人3連戦で闘志新たに出直すべく、メッセンジャー、藤浪、秋山の3本柱投入で一気の3連勝を狙う。

 開幕ダッシュの命運を託す男は藤浪だ。最後の最後まで決まらなかった開幕2戦目、31日巨人戦の先発投手。首脳陣はついに方針を固めたもようだ。30日の開幕戦でメッセンジャーと巨人菅野が投げ合った翌日のマウンド。絶対に落とせない一戦で、背番号19が先発マウンドに上がることが決定的となった。

 藤浪が登板2日後で休養したこの日。オープン戦最終ゲームのオリックス戦を終えた直後、香田投手コーチは「監督と私の中で、ローテは決まっています」と明かした。開幕カードに限れば、初戦のメッセンジャーと3戦目の秋山は早い段階で内定済み。ただ、2戦目の先発投手選びが難航していた。当初は岩貞が最有力候補にあがっていたが、3月中旬以降に不安定な投球が続いて脱落。好調の小野は次回、29日の2軍練習試合・近大戦に登板することが濃厚。この流れを見る限り、最後の最後、一気に状態が上向いた藤浪が急浮上した。

 藤浪は開幕ローテ4番手の最有力候補として沖縄・宜野座キャンプから調整を続けてきた。3月突入後は週前半での登板を続け、開幕2カード目初戦となる4月4日DeNA戦での先発が見込まれていた。ただ、先発予定だった3月21日のオープン戦ロッテ戦が雨で流れ、調整登板の場が金曜日の23日ウエスタン・リーグ中日戦に変更されていた。ここで6回2安打1失点と好投し、首脳陣の信頼が回復。土曜日の開幕2戦目先発が最後まで固まらない事情もあって、チームは勝負手といえる藤浪投入を決めた。

 藤浪は昨季、制球難に苦しんで3勝どまり。今季は先発ローテの座を争う立場からスタートしたが、本来はメッセンジャーとともにチームの浮沈を背負うべき男だ。金本監督はオリックス戦後、「先発の頭数というのがテーマで、今日は秋山が締めてくれて、藤浪も最後、来てくれて、メッセも上がってくれた」とオープン戦を総括した。その3人を惜しげもなくつぎ込む開幕カード。狙うは3連勝のみだ。