楽天銀次内野手(30)が13日、岩手・宮古で小学校訪問とクリスマストークショーを開催した。

宮古小では子どもたちの質問に答える形で「プロに入ってから“やめたい”と思った瞬間はいっぱいあります。練習もきついし、周りのレベルも高い。『オレは無理なんだ』『次(の仕事で)何をしよう』とか考えた時期がありました」と過去の苦悩を吐露。壁を乗り越えた自らの経験を踏まえ「得意なこと、好きなことをとことんやってほしい。チャンスはいっぱいある。何にでもなれる」とメッセージを送った。野球少年が数多く集まったトークショーでは「変化球は“点”で打つ。真っすぐは“線”で打つ」と小学生にはややハイレベルながら、熱のこもった打撃指導を展開。「この中からプロ野球選手が出てくれれば」と願った。

今季を振り返り「ちょっと打てないと、当てるのは得意なので、手だけで打ってしまう。チームも勝てなかったし、一番悔しいシーズンだったかもしれない」と唇をかむ。秋季キャンプでは新任の金森栄治1軍打撃チーフコーチとともに下半身主導でボールを引きつけて打つ技術習得に励んだ。「シンプルに言うと“手を使わない”。足なんです。手で打とうとすると、どうしても、前でさばこうとしてしまう。下半身を使うことでヘッドも走って、引きつけて打てる」と違いを実感している。

着実に増えた打撃の引き出しは、揺るぎない手応えを生む。「ここで(進歩が)止まっちゃ、ダメでしょ。来季新たな銀次が、ホントに見られると思います」。貪欲な姿勢でヒットを量産し、勝利に導く。