マリナーズ・イチロー外野手(45)が21日、現役引退を発表した。

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ソフトバンク王貞治球団会長(78)がイチローの現役引退を惜しんだ。福岡・筑後のファーム施設内で「来るべき日が来ちゃったのかな、という…。誰もがスタートがあれば終わりがある。彼の場合はもっと先だろうと思っていただけに、残念だね」と話した。

06年の第1回WBCでは監督、選手として世界一を勝ち取った。「1回目でなかなか選手が集まらなかった。彼がアメリカから『出ます』と一番に連絡をくれて、心強かった」。年長でも誰より入念に準備する姿、率先してアメリカ野球のことを仲間に伝える姿を見て「触れてみて、深さがわかった」と魅了された。

王会長は20日のマリナーズ開幕戦を東京ドームで見届けた。21日深夜の会見は、福岡でテレビに見入った。「あれだけの選手が引退するにあたって、話す言葉を見逃したくなかった」。約1時間半、一言一句逃さずに聞き入った。「あれだけ日米ですごい成績を出した選手。悩みはなかったのかと思ったら、大変な悩みがあったんだね。普通のレベルの選手では感じるところではない、そこに立った人でしか分からない悩み。だから逆にチャレンジしてこられたのかな」。世界で一番、本塁打を打った王会長だからこそ感じる部分に深く共鳴した。【山本大地】