米ドラ1スチュワート、日本行き決断の最大の理由

【ニューポートビーチ(米カリフォルニア州)30日(日本時間31日)=四竈衛】昨年の全米ドラフト1巡目で指名されながらも交渉が成立せず、25日にソフトバンクと契約したカーター・スチュワート投手(19=東フロリダ州立短大)が、同地の代理人事務所で入団会見を行った。決断した最大の理由として、エンゼルス大谷らを輩出した日本の育成システムを挙げた。米メディアによると、6年620万ドル(約6億8200万円)保証で、出来高込みの総額で最大1200万ドル(約13億2000万円)の大型契約。背番号は「2」に決まった。6月3日に福岡市内で入団会見を行う。

19歳が決意した理由は、シンプルだった。緊張気味に会見に臨んだスチュワートは、背番号「2」のユニホーム姿でハッキリと言った。「長いプロセスだったが、最後は自分にとってベストになる決断をした」。

昨年6月のMLBドラフトでブレーブスから1巡目指名を受けたものの、交渉が決裂。大学へ進学した。その後、今年1月ごろ、日本行きの選択肢があることを伝えられた。「最初は少し驚いたが、話せば話すほど、すばらしい機会だと思った」。5月中旬に両親と一緒に来日。試合観戦、施設見学などを経て、入団を決めた。大谷の活躍にも触れ「打撃と投球で圧倒している彼は大きな存在」と日本人メジャーの活躍に刺激された一面も明かした。

代理人のスコット・ボラス氏は、好条件だけでなく、日本の育成システムが決断の要因であったことを強調した。「ベストの例」として名前を挙げた菊池、大谷、前田、田中、ダルビッシュの日本人メジャー投手はいずれも高卒プロ。「彼らは高いレベルのスキルがあると認められているオールスター。秀逸なシステムであり、専門的で基盤がしっかりしている」。

今年6月のMLBドラフトで上位指名される可能性が高かったものの、同氏は日本行きを後押しした。「(米国の)マイナーでは5人部屋。(日本とは)住環境、栄養面なども大きく違う」。米国ドラフト制の実情を強烈に批判し、マイナー生活と比較しつつ、日本の若手育成環境を絶賛。完成度の高い投手を育成してきた日本球界の実績に19歳右腕を委ねるまでの背景を説明した。

言葉も文化も違う異国の地に挑むスチュワートは、初々しく言った。「これから徐々に学んでいく。自分の能力を伸ばしてできる限り長くプレーしたい」。米国から日本経由でメジャーへ。日米両球界の将来に影響を与える、新たな挑戦がスタートする。