楽天松井裕樹投手が、ソフトバンクとの首位攻防3連戦で3試合連続セーブを挙げた。今季初の3連投。

「そんなにボールはいってなかった」と正直に振り返りつつ「3点やらなければいい」。リードを守ることに集中した。先発美馬は5回までパーフェクト投球。7回無死満塁の大ピンチは高梨と青山が無失点で切り抜けた。「みんな必死につないでくれた。あの投球を見て自分も燃えるものがあった」。魂を込めて左腕を振った。

両リーグ最多タイ28試合目の登板で今季3度目の奪三振ゼロも無安打無失点。前日は3者連続三振で締めた。奪三振率は5試合登板以上に限れば両リーグ唯一の15台となる15・34をマーク。「今年は三振を狙っていきたい」と繰り返すのは、チームのためにほかならない。大リーグで用いられる指標、選手の勝利への貢献度を表す「WAR(Wins Above Replacement)」では、投手は奪三振率が高いほど数字が上がる。「打球を前に飛ばさせなければ、野手の方に守備をさせないで済む。三振を奪えばエラーになる可能性がないし、WARが上がる。つまり、三振を取ると、勝利に近づけるんです」と真意を語る。

両リーグトップの16セーブ目。「疲れはありますけど、試合で投げていって調子が出てくるタイプ。ケガさえ気を付ければいい。僕が投げなくても、チームが勝てば、それでいいと思っています」。守護神の矜持(きょうじ)が示すように、チームは単独首位で交流戦を迎える。【亀山泰宏】