守護神離脱の危機でブルペン陣が踏ん張った。ソフトバンクが7投手の継投でDeNAと引き分け。2番手椎野以降のリリーフ陣は1点も許さなかった。並んでいた日本ハムが敗れたため、交流戦の単独首位にも再浮上した。

試合前、衝撃が走った。守護神の森が右上腕部張りのため出場選手登録を抹消された。プロ1年目から5年連続で50試合以上に投げてきた鉄腕にとって、故障での2軍落ちは初めてだ。くしくもこの日は、本来中継ぎの二保が先発。ベンチには、救援陣を総動員して戦う腹づもりもあった。二保が6回途中2失点で降板したあとは、椎野、武田、甲斐野、モイネロ、嘉弥真、そして高橋純が0を並べ続けた。

最終回の攻撃は無死満塁で松田宣、上林、高谷が倒れサヨナラの絶好機を決めきれなかった。だが工藤監督は「大きいと思います。みんなよく頑張りました。プラス材料はある。負けて気持ちが落ちないで行ける」と、総力戦でつかんだ引き分けに前を向いた。

ブルペンでの精神的支柱でもある森の離脱は痛い。当面は守護神を決めずに、調子や相手打順などを考慮し流動的に戦うことになる。9回に投げた甲斐野は「ぼくたち1人1人が役割を果たさないといけない」。10回を抑えたモイネロも「森さんは選手としても人としても大きな存在。プレーできる人間がしっかり戦っていくしかない」と気合を入れた。リーダー不在を全員でカバーする。【山本大地】