佛教大の「0-3からのミラクル」は明大・森下暢仁投手(4年=大分商)に封じられた。準決勝まで4勝のうち3勝が0-3からの逆転勝ち。決勝も3回に3点を先制される試合展開になったが、ドラフト1位候補右腕にねじ伏せられた。最終9回に1点を返して意地を見せた。

4回から救援した今大会初登板の福森建(たてる)投手(4年=水口)が8回まで与四球だけの無安打無失点。だが6イニング目の9回にダメ押しの3点を追加された。「初戦から野手が逆転してくれていたので、走者を出しても0点に抑えれば逆転してくれると思って投げました。ある程度直球はよかった。明治の応援はすごかったけど、それを力に変えました」

プロのスカウトも視察する実力派だが、右肩、右肘の不調で今大会は他の投手に出番を譲った。初登板となった決勝戦で最速146キロの直球を投げ、存在感を見せつけた。

田原完行監督(59)は4度目のミラクル逆転劇を果たせなかったことに「もう、森下くんの出来ですよね。6大学の厳しい中でやってきた経験をすごく感じました」と脱帽。京滋大学リーグは8強が過去最高だった。4勝し、歴史を塗り替えた。「経験できたことが大きい。何かを得て帰ろうと話していたが、最終日まで野球ができたことに感謝。大学としても初めてのことなので、これを生かしていかないと、と実感しています」と振り返った。

決勝は登板しなかったが、ロング救援ばかりで3勝を挙げた木下隆也投手(2年=奈良大付)は敢闘賞を受賞。「ミスした方が負けるということを一番感じた。一番得意なスライダーがよかった。もっと信頼される投手になりたいです」とさらなる成長を誓った。

主将の吉村颯捕手(4年=龍谷大平安)は「負けて悔しいけど、新チーム結成から全国ベスト4を掲げてきた。チームにとってもリーグにとっても、決勝まで来られたのはよかったと思う。これまでは手探りで練習してきたけど、どういう練習をしたらいいかが明確になりました」と晴れやかに大学野球の聖地・神宮をあとにした。